神様がくれた夏



ダルイ体を引きずるようにして鞄に近づいては、開けて携帯を取り出す。


時刻を確認すれば9時を過ぎていた。




「…最悪」



何に対してか分からない言葉を吐き出して、あたしは重い足取りで教室から出た。




全身痛いのだか、やはりその中でも下半身が一番痛くダルイ。


立ってることすら億劫で、足取りは今までにないくらい重い。



最悪。


その一言に過ぎる。



ゆっくりといつもでは考えられないスロースピードで昇降口へ向かう。



ゆっくりとしているせいか、頭の中では〝たられば〟が次々に溢れてくる。



< 264 / 468 >

この作品をシェア

pagetop