神様がくれた夏



大雨でよく見えない。


けれど制服から、男子ということは分かった。



目を凝らす。




「…?」




ハッとした。



(まさか)



なぜ?



あたしは鞄を胸に抱えたまま早足へと変えてみた。



グチャグチャになっている校庭の土が飛び散ることもお構いなし。



彼目掛けて走った。



そしてあたしが駆け寄るなり、彼の瞳があたしを捕らえた。



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