神様がくれた夏
あたしはそんな彼に問う。
「何…やって、るの?」
彼―――夏目涼はこの大雨の中、校庭の中心で空を見上げていたのだ。
その不可解な行動の意味が分からない。
もう9時を回っているというのに何がしたいんだろうか。
雨が降りしきる中、あたしと彼が2人。
ぐちゃぐちゃにぬかるんだ校庭で立ち尽くす。
「―――、」
あまりに酷い雨音のせいで彼の声が聞こえない。
あたしは彼にぐっと近寄っては耳を寄せた。
「お前こそ」