神様がくれた夏
突然の出来事
教室の扉を開けるなり、一目散にほのかが駆け寄ってきた。
「水涼! 良かった、元気になったんだねっ?」
ほのかはどこか心配そうに、けれど嬉しそうに笑っては言う。
その嬉しそうな笑顔につられてあたしも笑った。
心配させてしまったのなら申し訳ない。
「心配させてごめんね…」
「ってか結局雨に濡れて帰ったのっ?!」
「あー…うん…止むどころか逆に強くなっちゃって…」
そう言って、あたしは乾いた笑いを溢した。
あの出来事から3日経った。
あたしは大雨にあたったせいか、風邪をひいてしまっていたんだ。