神様がくれた夏




こんな嘘を平気でほのかに言ってる自分が許せないけれど、どうしようもなかった。


あんな今すぐにでも忘れることができるならば命を投げ出したって構わないと言っても過言じゃない出来事を、ペラペラと言えるわけが無かった。




「あーもうっ! やっぱり無理やりにでもあたしと帰らせれば良かったー!!」



そう嘆いてはほのかは頭を抱える。


あたしはそうだね、と呟いた。



そうだね。


一緒に帰っていればよかったよ。



なんてどうしようもないことをやっぱり思ってしまう。


それが後悔だ。


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