神様がくれた夏




「もう平気なんだよね?」



「うん、3日も休んだしねっ」



なんて元気を装う。


心配はさせたくない。



けれどそこでハッとした。


無意識に願っていることに気づいた。




どうか。


どうか先輩と鉢合わせしませんように、と。




気づいた瞬間悲しくなった。



胸が苦しくなる。


呼吸が―――苦しい。



あたしは慌てて後ろ手にドアを閉めた。


そんなあたしにほのかは不思議そうに問う。




「どうしたの?」



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