神様がくれた夏



苦しい。


苦しい苦しい苦しい。




「な、んでもない…」



大きく深呼吸をしてみた。


そうしたら少し軽くなった。



そして歩き出す。



どこか心配した瞳であたしを見つめるほのかに笑いかけた。


自分に言い聞かせる。


大丈夫だ、と。



自分に強く言い聞かせる。


大丈夫だ、と。



大丈夫。



あたしは強い。


強いから大丈夫。



あんなこと負けない。


負けてたまるもんか。


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