神様がくれた夏
彼があたしの悲しみを抱きとめてくれた。
たったそれだけのことなのに、何にも変えられない薬になったんだ。
だからだと思う。
あたしは負けずにこうしてしっかりと立っている。
「んー…心配だなぁ」
「平気! めっちゃ元気!」
「そう…? 体調悪くなったら保健室行きなよ?」
本当に心配そうな瞳であたしを見つめるほのかに、あたしは大きく頷いた。
あたしの教室がある階に着く。
少し歩いた場所にある教室に向かう。
そんな時だった。