神様がくれた夏



信じたくない。


そんなはずない。



あたしの勘違いだ。



勘違いであってくれと願う。



それなら今すぐにでもここから立ち去って、彼女達の会話を聞かなければいいのにあたしの足は動かない。



だって、だって。




「本当信じられない…」




やめて。


言わないで。



動いて。


あたしの足。


あたしの手。



ドアを閉めなきゃ。


自分の席へと向かわなくちゃ。






「あの津田川先輩を殴るなんて!」





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