神様がくれた夏




ちなみにここで1つ、少年について付けたしをしておこう。



少年とまず一言で言って、どんな少年を想像するだろうか。


少なくともあたしは彼を少年と言ったが、あたしの想像する少年とはほど遠い奴だった。



顔を上げると視線が合わさる。




「っ!!」




ひぃ、なんて思わず情けない声が口から飛び出しそうになったのを、酸素と一緒に勢いよく飲み込んだ。




まず目に付いたのは金髪。



若干生え目が黒くなっているのがやけに目立つ。


少し長めでやや片目が隠れている。



そして着崩された制服。



ガッツリ第三ボタンまで開けられているシャツから見える胸板に少しドキリとする。


ズルズルと引きずられたズボンの裾はただの布と化している。



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