神様がくれた夏





何か気に触るようなことでもしたのかと怯えたが、次の言葉を聞いた瞬間その考えは変わった。




「じゃあ夏目くんが理由もなしに他人を殴る、なんてことしないって分かってるよね?」




その質問に少しばかり戸惑ってしまった。



校内中みんなが今朝の暴力事件を騒いでいることだろう。


そしてほとんど全員が夏目涼が悪いと思っているはずだ。




だからこそ戸惑った。



この子の口調と言葉は夏目涼を責めるものじゃなかったからだ。




「あ…あの…?」



正確に言えば、戸惑ったより驚いたのかもしれない。



< 313 / 468 >

この作品をシェア

pagetop