神様がくれた夏




今井さんは近くの教室を覗き込み、



「…あまり時間がないようね」



SHR開始の5分前だと確認すると、再びあたしと向き合った。



「率直に用件だけを言わせてもらうわ」



「はい?」




すると今井さんは少し俯き加減になっては悲しそうに言った。




「あたしはずっと夏目くんを見てきたからなんとなくだけど分かるの。 彼は自分勝手な理由で他人を殴ったりはしない」




そう、それはあたしも同意見だ。



ほんの少しの間しか関わってこなかったが、それでもその中で彼の優しさは感じられた。


< 315 / 468 >

この作品をシェア

pagetop