神様がくれた夏
「夏目涼は…あたしの変わりにやってくれたんだと思うんです…」
先輩を殴るなんてあたしにはできないことは分かっていただろう。
もう先輩と顔も合わせたくないことも知っていただろう。
だからこそ彼が動いたのだ。
あたしの仇をとるために、先輩に殴りかかった―――…
すると今井さんは小さく笑った。
その表情はとても安堵しているようだった。
「…?」
あたしは恐る恐る今井さんの表情を目にしては驚いた。
どうして笑っているんだろうか?
ここはあたしが責められるところじゃないのか?