神様がくれた夏
そう考えた瞬間恐くなったのだ。
彼は何もかもを諦めるどころか最初から何とも思わず、ただ他人に言われるがままに事態を進めて行こうとしているのではないか、と。
「………」
本当に彼がその気でいるとしたら、あたしがどうになければいけない。
どうにかできるのは原因になったあたしだけだ。
あたしがどうにかしなければ、彼は退学へと追い込まれるだろう。
そんなことはさせない。
絶対させない。
ハッとし、顔を上げれば降りる駅に着いていた。
あたしは慌てて電車から飛び降りる。
危ない危ないと、冷や汗を拭った。