神様がくれた夏
「…よし」
小さく気合を入れるとメモを取り出しては歩き出す。
とりあえず会おう。
言葉はそれから出てきてくれるはずだ。
改札口を出てメモ通り右に進んでいく。
足取りは軽かった。
早く彼に会いたくてしょうがない。
言いたいことは1つだけ。
その他の邪魔なものなどいらない。
「…ここ…かな…?」
立ち止まってはその家を見上げる。
そしてメモと表札を交互に見つめ、しっかりと合っていることを確認した。