神様がくれた夏
ずばり不良。
髪を染めている奴や化粧をしている奴、制服を着崩している奴は学年に何人かいる。
けれどあまり関わりたくないから名前なんて知らない人ばかりだ。
けれどこの人は違う。
そんなただチャラチャラしていて周りの注目を集めたがりの奴らとは違う。
同じような部類だが、それは全く違うのだ。
だから目の前の人はあたしでも知っている。
ただ今あたしの眼前に立つ、恐ろしい鬼のような目であたしを見つめるそいつ。
夏目涼。
仲間を作らない一匹狼。
だからあたしでも知っているのだ。
今だ厳しい瞳であたしを見る夏目涼に、あたしの全神経が警告音を鳴らす。