神様がくれた夏



いや、実際、襲われたときは確かに思っていた。


助けてと思っていた。




「…くそ」




小さく吐き出すその言葉は悔しそうだった。



その言葉を聞いたあたしの心はポカポカして温かい。


同時に苦しい。




「…ありがとう」




あたしは気づいた。



彼に言うべき言葉は謝罪ではない。


感謝の言葉だ。




後はあたし次第だ。



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