神様がくれた夏
最悪だと思いながらも、まさか無言で切るわけにもいかない。
自己中心的な行動をしてきた俺だが、そのくらいの礼儀は持ち合わせている。
「…そうですけど」
ぶっきら棒にそう言えば、担任は安堵したように息を吐いてから言った。
「家にいてくれて良かった」
そしてそう前置きしてから、
「申し訳ないが今すぐ学校に来てもらえないか?」
そう告げた。
その言葉を耳にした瞬間、俺は全てを諦めた。
ゆっくりと目を閉じ、浅い呼吸を繰り返した。