神様がくれた夏



ただひたすら走る。



だって俺はあいつのことを何も知らない。


だから向かう場所は1つ。



「………っ」



あいつはどこのクラスだったろうか。


懸命に思い出すが分かるはずがない。




慌てているせいか、俺は柄にもなく廊下で談笑している女子に話しかけた。




「…おい、今井って奴のクラスを知っているか?」



いきなり俺に声をかけられたことに酷く驚いてビクついた女子。



けれどさっさと俺にこの場から去って欲しいのだろう。


ツインテールにしている方の女子が怯えながらも、



「に…2組です!」



早口でそう言った。


< 360 / 468 >

この作品をシェア

pagetop