神様がくれた夏
その瞬間俺は走っていた。
小学校から同じ学校だった今井。
俺にビクつくことなく、普通に話せる女子はこいつしかいないと瞬時に思ったのだ。
勢いよく2組のドアを開ける。
激しい音がしたのと、そのから現れたのが俺だということも合わさって、教室が一瞬にして水を打ったように静まり返った。
「今井…っ」
奴の名前を呼ぶ。
あいつはもう俺が何を言いたいのか分かっているのだろう。
俺の姿を確認した今井は慌てて立ち上がっては俺の元に駆け寄って来た。
「…ここじゃ目立つでしょっ」