神様がくれた夏
今井の口が開く。
その開いた口から最も聞きたくなかった言葉が放たれた。
「〝津田川先輩に暴行されたあたしの仇をとるために、夏目涼は先輩を殴ってくれたんです〟って…」
どうして。
言葉が出てこない。
俺は今井の言葉をただ耳にしているだけだった。
「彼女は普段から模範的な生徒だったから、教師からもそれなりに好評価だったんでしょうね。 彼女の言葉に誰1人として疑わなかったみたい」
そりゃそうだ。
俺みたいな奴の手助けだってそてくれるような奴だ、普段から教師達に好評だったんだろう。