神様がくれた夏
今井はそこで顔を上げた。
そして懇願でもするかのような表情で言ったのだ。
「夏目くん、早く彼女に合流してあげて…!」
「そ、れは…」
すると今井はすごく言い辛そうに呟いた。
「………知れ渡ってるのよ」
それはすごくすごく小さな声だった。
やっとのことで耳を凝らして聞き取れた言葉に俺は目を見開いた。
「………っ!」
今井は俺に掴みかかってきた。
そして叫ぶ。
「彼女が職員室で言ったことをたまたま聞いてた奴がいたの! この学校中彼女が先輩に犯されたという話題で盛り上がってる…!」