神様がくれた夏




「…んな…」



「早く行ってあげて! 彼女は苦しんでる!」



その声に俺は反応した。


今井の腕を振り払うと駆け出した。



その背後から今井が「5組だよ!」と叫んでいた。




「ありがとな!」




俺はそう叫ぶと5組へと向かうべく走る。




酷く胸が痛かった。


呼吸がしづらいのは走っているせいだけではないだろう。



早くしなければと焦る。


焦るが足が少しも前へ進んでいないような感覚に陥いるのはなぜだろう。



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