神様がくれた夏
俺はそいつの質問に答えることなく、自分の質問を口にしていた。
「お前は…あいつのところへ行ったのか?」
なぜだろう。
そんなことを聞く必要性なんて全くなく、そして俺には関係のないことなのにそう尋ねていた。
関係のないことだ。
なのに胸が騒ぐ。
なぜ。
どうして。
そいつは小さく首を縦に振った。
そうして再び俯いては押し殺すような声で訴えてきた。
「あたしは…っ何も知らなかった…」
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