神様がくれた夏



何となくの予想。


すごく短い期間だったが、プール掃除を共にこなしたから少し分かる。



あいつはきっと―――笑ったのだろう。




「どうしたらいいの…っどうしたら…」




頭を抱えてそう悲痛な声を上げるそいつ。


気づけば俺はそいつの腕を掴んでいた。



そして持ち上げる。


それは無言の言葉〝立て〟だった。




「…!」



突然のことに驚いたのだろう、そいつは目を丸々と見開いて俺を見た。



俺は立ち上がったそいつから手を離すと言う。




「あいつはどこにいる?」



< 371 / 468 >

この作品をシェア

pagetop