神様がくれた夏
何となくの予想。
すごく短い期間だったが、プール掃除を共にこなしたから少し分かる。
あいつはきっと―――笑ったのだろう。
「どうしたらいいの…っどうしたら…」
頭を抱えてそう悲痛な声を上げるそいつ。
気づけば俺はそいつの腕を掴んでいた。
そして持ち上げる。
それは無言の言葉〝立て〟だった。
「…!」
突然のことに驚いたのだろう、そいつは目を丸々と見開いて俺を見た。
俺は立ち上がったそいつから手を離すと言う。
「あいつはどこにいる?」