神様がくれた夏
「なぜ来ない?」
俺じゃダメだと理解している。
本当は会いに行ってもあいつを傷つけるだけかもしれないことも理解している。
あいつのされた〝恐怖〟は、俺じゃ理解してあげることができない。
「お前があいつを救わないで誰が救えんだっ?」
少し声を荒げてしまった。
半分八つ当たりだ。
悔しいんだということに今気づいた。
自分だけの力じゃどうしようもないことがこんなにも悔しいらしい。
「……っない」