神様がくれた夏
廊下の反対側に体育教師が立って叫んでいた。
冷静になって周りを見渡してみれば、俺たちは注目の的になっていた。
女子生徒の胸ぐらを掴んで睨みつけている俺。
「………」
やらかしちまった。
「…っち」
どっからどう見ようが、これは俺が悪者だ。
完璧悪役になってしまった俺は、ひとまずこの場から脱出するべく胸倉から手を離すとそいつの手首を掴んで歩き出した。
「う…うう…」
やばい。
バカした。