神様がくれた夏



けれどそいつは下手に抵抗することなく走りに付いてくる。


それだけが良かった。



下手にあの場に長居をしたら教師に捕まってしまっていたかもしれない。



とりあえず一安心だった。




明日からは更に〝夏目涼は女にも手を上げる〟なんて噂が付け足されて流れることだろう。



けれどそんなことは構わない。



少しでもアイツへの苦しみが減るのであれば、俺は何だってしてやれる。




あいつがいるのであろう体育館の裏へ急ぐ。


けれど突然後ろから笑い声がした。




「…?」


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