神様がくれた夏



気を緩めたら涙が溢れてきそうになったから、あたしは唇を噛み締め耐えた。




自分の弱さに笑えてきそうだ。


職員室に乗り込む前と後じゃ比べ物にならないほど落ち込んでいた。




なんで落ち込むの?


夏目涼を助けられたんだから良かったじゃない?




分からない。




するとふと、ほのかのあの泣きそうな表情が脳内に蘇った。


申し訳ないことをしてしまった。




「……ごめんね」




学校中はあたしのされたことについての話が飛び交っているだろう。


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