神様がくれた夏
悲しそうでどこか悔しそうでもあるほのかにあたしは言ったんだ。
大丈夫だよ、と。
いつもと変わらない笑顔で笑ったつもりだったんだが、それはできていたのだろうか?
分からないけれど、あたしは笑ったのだ。
笑うしかなかった。
だって、あたしは大丈夫だもの。
(大丈夫)
さっきからずっとそう言い聞かせている。
けれどあたしの頭はずっと俯いたまま。
どこか遠くに逃げることすら躊躇って、結局体育館の裏というベタな場所に逃げるしかなかった。