神様がくれた夏



けれど1つ。


夏目涼に会いたいなぁ、なんて考えたそんな時だった。




「おい馬鹿」




声が鳴った。


ハッとして顔をあげる。




「夏目、涼…」




仁王立ちしていた。


それも鬼のような形相で。



ひぃ、なんて情けない声が思わず飛び出しそうになった時、夏目涼の後ろからソロリとこちらを覗く影が見えた。




「ほのか…?」




あたしの視線は夏目涼の後ろへ。


あたしの声に影はピクリと肩を震わせた。


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