神様がくれた夏
「水涼…っ!」
ほのかは泣きながらあたしの傍に駆け寄ってきた。
そしてボロボロ涙を零して言う。
「ごめ…ん…っ…たし…あたし何も知らなくて…っ!!」
嗚咽混ざりに悲痛な声が飛ぶ。
その言葉にあたしの涙腺も崩壊。
「違う…! ほのかに正直に言えなかった…ごめんなさい…!」
隠し続けたのはあたし。
言えなかった。
言いたくなかった。
あたし達はもう何も言わず、ただ抱きしめ合った。
言葉は不必要だった。
そんなものがなくても通じ合えた。