神様がくれた夏

君にさよなら





あたしを見つめる、夏目涼の目の色が変わったのをあたしは見逃さなかった。



それだけで理解する。


あたしの考えていることが夏目涼に伝わったのだということを。




「どこかに…行くの?」




ほのかには分からないようだ。


いかにも不安そうな声でそう尋ねてきた。



あたしはそんな心配するほのかに微笑んでは胸を張って言った。




「ケジメをつけに、ね」




大丈夫だと思える。


恐くないと言ったら嘘になってしまうけれど、大丈夫だと言い切れる勇気はある。


< 396 / 468 >

この作品をシェア

pagetop