神様がくれた夏
冗談はやめてよ、とか、笑わせないでよ、なんて言える相手だったらまだこんなにドキドキしなかっただろう。
けれど日常において、全くもって冗談やおフザケな行動がない夏目涼に言われたもんだからこんなにドキドキするのだ。
だって彼は冗談なんて言わない。
性格上、同情なんてものもしないだろう。
「………」
チラリと視線を上げて夏目涼を盗み見る。
やばい。
ドキドキする。
〝守ってやる〟
夏目涼は特に深く考えずに言ったのかもしれないけれど、初めてそんなことを言われたあたしの脳内にはその言葉ばかりが回っている。