神様がくれた夏



それは無表情だった。


全く持って無表情。



コロリとも変わらないその表情を不気味とすら思えるほどに無表情。


恐ろしい、とも呼べるかもしれない。



何なの、と思ったところで気づいた。



違う、と。



あたしはそこで思ってしまった。


感じてしまった。




夏目涼の心、ここにある…?




彼はここにいる。


けれど心はどこか遠くに感じる。



この場に彼はいるのに何も感じない。



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