神様がくれた夏




だって夏目涼はずっとあたしを見ていた。



だからあたしが言いたいのは、彼が始めてあたしの存在を認め、ここにいるということを確認して見たということだ。




「………」




何を言われるんだろうかと考えるだけでビクビクしてしまう。


それ位あたしにとって夏目涼は恐ろしい存在でしかないのだ。



自分自身が逃げることを困難だと思ったあたしは、夏目涼自身がどこかへ一刻も早く行ってくれることを祈るしかなかった。



殴ったりはしないはず。


さすがに女を殴ったりは…しないはず。



そう思っていてもやっぱり少し怖い。


いや、すごく怖い。



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