神様がくれた夏



やめにしよう。



あたしは終止符を打つ。




「先輩、お大事に」




最期の言葉だ。




「…さよなら」




その言葉と共にあたしは部屋から出ては、後ろ手に扉を閉めた。



俯いては大きく息を吐き出す。


すぐ目の前に夏目涼が立っていた。




「一発くらい殴ってやればよかったのに」



「…あたしは誰かさんと違ってそんな暴力的ではないので」



「…ふん」





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