神様がくれた夏



「ねぇ」



「あ?」



「………」



「…何だよ」



足は止まらない。


もうここに心残りのものはないと言わんばかりに、足は止まらずに進む。




「…ありがと」



「…もういいって」



「…ふふっ」



思わず笑ってしまった。




出会ったあの日。


夏目涼と手を繋いで歩く、なんて考えもしなかったことが今こうして起こっていると改めて思ったら笑えてきた。



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