神様がくれた夏



ほのかの家で初お泊り。


けれど普通の親友同士がお泊りのときに胸躍るような、キャッキャするような雰囲気はここにはない。



夕飯を終え、後は寝るだけだった今。



ほのかの目は真っ赤になってしまっている。


間違いなく明日腫れるだろう。



大変申し訳ないことをしてしまったと後悔してももう遅い。



「ほ…ほのか? あんまり泣かないで…?」



「う…っうん」



あたしはほのかに泣いて欲しくてこんな話をしたのではない。


今まで隠してきたことを全て知って欲しくて話したのだ。



だから泣かないで。


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