神様がくれた夏
「それなりっ?!」
「…!」
「嘘つけ! ときめくに決まってるっ!」
じーっと見つめられる。
その視線に耐え兼ねたあたしはボソリと呟いてしまった。
「と…ときめきましたよ…」
しまったと思った時には遅かった。
キラリと光ったほのかの瞳。
その瞳に見つめられるだけで恥ずかしくなってしまう、そんなあたしはこんな〝恥ずかしい〟経験をしたことがない。
男の人の一言でこんなにも胸が高まると思わなかった。
少なくとも先輩は、あたしにそんな今のようにドキドキするようなことを言ったことはなかった。