神様がくれた夏




「…夏目くんは…先輩のように強引なことはしないと思うよ…?」



「…分かってる。 それじゃないの…」



違うよ。


違うんだ。



「あたしの心が恐くて…」



「…?」



「ねぇほのか…〝好き〟な気持ちはこんなにも簡単に生まれるもの?」



「…そ…それ―――」




「あたしはこのまま夏目涼を好きになっていいのかな…?」



あたしが声を落として呟くと、ほのかの目がキッと釣り上がった。


そして大きく息を吸っては叫んだ。


< 448 / 468 >

この作品をシェア

pagetop