神様がくれた夏
「…夏目くんは…先輩のように強引なことはしないと思うよ…?」
「…分かってる。 それじゃないの…」
違うよ。
違うんだ。
「あたしの心が恐くて…」
「…?」
「ねぇほのか…〝好き〟な気持ちはこんなにも簡単に生まれるもの?」
「…そ…それ―――」
「あたしはこのまま夏目涼を好きになっていいのかな…?」
あたしが声を落として呟くと、ほのかの目がキッと釣り上がった。
そして大きく息を吸っては叫んだ。