神様がくれた夏




「ばっかじゃないのっ?!」



その突然の怒鳴り声にビクリと体が震えた。


あたしは目を見開いたまま固まるしかなかった。



「そんなこと考えるなんておかしいっ!!」



「ほ…ほのか…?」



「先輩に何されようがどうされようが、それは水涼が恋をすることに何の関係もないでしょ?!」



「………っ」



「好きなら好き! それ以上に必要なものなんてない…っ!」



「ほ、のか…」



何で泣いてるの、なんてとてもじゃないが聞けなかった。


泣かせているのはあたし、それが痛いほど分かっているからだ。


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