神様がくれた夏
「ほのか…本当、ありがとうね…」
再び大泣きし合ってしまったほのかと抱き合いながらあたしも泣いた。
――――――…
「…よし」
校門の前でコッソリ気合を入れる。
拭いきれない不安もあるけれど、そんなことで止まってはいられない。
あたしは前を向く。
そして歩き出した。
相変わらずザワザワと騒がしい。
あたしは校舎へ入り、下駄箱で上履きへと履き替えた。
ドクドク。
胸が苦しくなってくる。
それでも何度も言い聞かせる。
大丈夫だ、と。