神様がくれた夏





「あたし夏目涼が―――」



けれどそれは最後まで言わせてもらえなかった。


言葉の途中で口を塞がれていた。




「………」




繋がる。


唇と唇。



あたしは目を見開いたまま。


そこには一般に言う甘い雰囲気の欠片もなかった。



唇が離れると同時、呆然としたままのあたしの言葉が漏れる。




「な、に…」



すると夏目涼は舌打ちをした。


そしてあたしから視線を逸らしては呟く。


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