神様がくれた夏
「あぁ」
相変わらず口数は少ないけれど、前と比べては随分増えたと思う。
コミュニケーションはとってくれるようになった。
「静かにしてれば呼び出されたりしないのに」
「してる。 向こうが突っ込んでくる」
「いやいや、十分目立つようなことをしてますからね?」
涼は毎度毎度教師からの呼び出しが止まらない。
前に比べればよくなったほうなのかもしれないけれど、それでも他の生徒と比べたら目立つことをしている。
自覚が無いのはどうしようもない。
「帰るぞ」
「うん」
あたしは鞄を手にし、
「じゃあね」
ほのかに別れの挨拶をすると、涼の元へ駆け出した。