神様がくれた夏



触れる。


唇。



唇と唇。



微かに触れるだけの、そんな優しいキス。



あの日とは比べ物にならないくらい、優しくてゆっくりとしたキス。




そっと触れては離れていく。


それが物凄くスローモーションに見えた。




「せ…せんぱ…」



真っ赤になっていること間違いない。


顔が熱くて熱くて、これがまさに沸騰状態なのかもしれないなんて思った。



キスは慣れない。


慣れなんて元からないのかもしれないけれど、どうもあたしはダメみたい。



恥ずかしいったらありゃしない。



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