神様がくれた夏
「………」
見られた。
かなりしっかりと。
まじまじと。
じろじろと。
あたしはどんな顔をしていたのだろうと、考えるだけで恐ろしい。
彼の瞳にはどのようなあたしが映っていたのだろうかと、考えるだけで恐ろしい。
あたしは人の眼を気にしまくるような女じゃないけれど、あの眼には戸惑ってしまった。
考えてしまう。
彼は何と思ったのだろう。
何と思っていたのだろう。
なにより、あたしはどんな表情で彼を見ていたんだろう。
恐い。
そんなことを考えたくないのに考えてしまう自分に嫌気がさす。