神様がくれた夏
Chapter 2
不思議な彼は
だらだらと首筋を伝う汗。
じりじりと肌を焦がす日差し。
むしむしと纏わりつく高温度の空気。
そしてさらに苛立ちを倍増させる蝉の鳴き声には参った。
まさに夏。
本格的に夏が始まりを告げる。
「…あつい」
口から出る声さえもがアイスのように溶けていく。
同時に自分も溶けていくんじゃないかという気持ちになる。
あたしは机に突っ伏したまま唸り声をあげていた。
そんなあたしを残念そうに見つめながらほのかは言う。