神様がくれた夏
「絶対焼けたくない…」
「田舎のおばちゃん…ぷぷ」
「…うるさい。 ほっといて」
「それにしても太陽光線酷いねぇ」
「……夏が始まりを告げたのだ」
そんな何かの本の冒頭にでもあるような言葉を呟くと、夏はもう始まってるよと笑われた。
そんなことは知ってるわい、なんて不貞腐れてみたりする。
あたしは捲り上げていたワイシャツの袖を下ろすと、もう何度目かのため息を吐く。
相変わらず暑い。
クーラーが利いていても、直射日光を浴びてる私に効果はない。
暑い。
暑くて死にそうというのはこういうことを言うのだろう。
「うぅ…くそう…」
もう泣き言だ。