神様がくれた夏
「もう諦めて。 この時間の我慢でしょ」
「うぅぅう…」
「暑さと戦うしかないよ」
そんだけ完全防備してれば大丈夫だって、とほのかは言ってあたしの肩に手を置いた。
暑さと戦うしかないことくらい知っている。
こうなってしまった以上、どうしようもないことくらい分かっている。
けれどこの高温度があたしの脳を支配してはイラつかせるのだ。
そんなこんなでグダグダしていると、予鈴が鳴った。
ほのかは溶けないでねーと笑いながら、自分の席――廊下側の前から5番目という羨ましい席――に戻っていった。
あたしは窓側の席で机に突っ伏したまま、いつもより鈍くなっている脳内で考える。